【まほやく】ネロ、裏切りの向こう側にあるものは?セリフから魅力を考察

『月に愛されたこの世界は、傷だらけでとても美しい』

魔法が存在する異世界で、きらきらと綺麗な星が空から落ちてきて心臓を貫いてくるような。

そんな空想と現実の共存が素敵な魔法使いの約束。

都志見文太先生の描く人物の魅力を少しでも知るきっかけになれば幸いです。

今回はその中でも東の国の賢者の魔法使い、ネロ・ターナーについてお話しようと思います。

自分のことを多くは話さない彼。判明していない過去のこともありますが、いろんな物語から見えるピースを集めてお話していきます。

東の料理人、ネロ


《 東の国の料理屋。面倒を避け、魔法使いであることを隠して暮らしていた。
無気力かつ他人に無関心。だが、面倒見がよく心配性な一面を見せることも。苦労人気質。 》

こちらは公式の紹介文です。

この文章だけでもなんとなく彼の人となりが分かりますね。

賢者の魔法使いとして呼ばれる前は料理屋を営んでいたことや、魔法舎の自室が1Kな所から“現パロが似合う魔法使い”とも呼ばれています

面倒ごとを避けて大衆に合わせたり、自己主張が強くないところなど、日本人っぽさがあります。

その日本人っぽさが親しみやすさを生み、また彼の魅力を増やしているとも言えます。

青空のような髪色も、麦畑のような黄金色を纏う瞳も日本には馴染みにくそうな容姿ですが、そんな派手な見た目をものともしないネロの気遣いっぷりをお話していこうと思います。

死の盗賊団のボスの相棒

西や中央、南など他国を転々としていたネロ。自分自身にも、正義にも、助け合いにも熱心になれず、結局は東に腰を落ち着かせました。

東の人ほど実直にはなれない。けれど北で強さに執着することも割り切ることもできない彼は、料理という膜を通すことで東の国で気楽に暮らせるようになりました。

その料理という膜を手にしたのは盗賊時代、ブラッドリー・ベインに会ったことがきっかけでしょう。

相棒であり、上司であり、恩師であり、悪友でもあるブラッドリー。拾われた時期は不明ですが魔法を教わったことも考えると育ての親とも言える彼。

ネロという人物をつくり上げたと言っても過言ではありません。

あのブラッドリーが認めるほどの人物であったネロ。垣間見える手癖の悪さは盗賊時代の名残でしょう。

血の料理人なんて呼ばれるくらいですから歴戦の猛者であることに違いはありません。

ネロの役目と居場所

「賢者さん」と呼んでくれるネロは他の人も役職で呼ぶ傾向にあります。羊飼いくんや騎士さん、ラスティカのことは婿さんとも呼んでいますね。

【まほやく】キャラの一人称と相手の呼び方

年下であるファウストに対しても「先生」と言ったりできるのもネロの魅力のひとつ。

私はネロが周りを「〇〇さん」呼ぶのが好きなのですが、その理由を少し考えてみました。

ネロはネロ自身を分からないと言っていました。どっちつかずの男だと。だから膜を通して世界と関わるくらいがちょうどいいとも。

 

そんな彼が選んだ料理という膜。どう考えてもブラッドリーが関係していることは明らかです。

 

想像してください。

 

何者でもない自分が拾われた先で、料理を振る舞うと皆が喜び誉めてくれる。必要としてくれる。

 

役目と居場所が用意されれば生きがいを、存在価値を、見出せる。

 

自分が称賛されるのは誰だって嬉しいものです。それが何も無い時の自分なら尚更その蜜は甘かったことでしょう。

 

ネロは何者でもない自分を知っていました。何もない男だったから与えられた役目に喜び、求められれば尻尾を振って感激しました。

 

そんな彼だからこそ、役目を大切にしているからこそ、他の人も与えられた役目で呼ぶのかもしれません。

既知の遺跡では「自分が自分じゃなくなるなんて場所は、あまり居心地のいいもんじゃないよな。」と発言したり、無意識に手を繋いでくるネロ。

ネロ・ターナーという人物を知れば知るほど、「一人でいたい」と「他人と繋がっていたい」という彼自身の矛盾に気付かされるような気がします。

ネロの”職人としての誇り”

料理人であるネロくんですが、料理に関しては魔法を一切使わないというプライドがあります。

魔法使いである前に料理人であることに存在価値を見出したからなのか…。そんな小難しい理由ではなくもっと単純な理由だと、私は思います。

リケが言うように魔法を使っていないのに魔法のようだと思わせるネロくんの料理

「こだわりってほど大したものじゃねえけどさ。
材料に直接触って、
作ってる時間がある方がいいだろ。」

 

「手で作る方が楽しいよ。」

と話してくれたように、きっと心のままに手が動き、直接触れることを無意識に選んだのでしょう。

奏でる音楽から人柄が分かるように、食べたものから料理人がどんな人か想像させるように、彼の繊細な優しさが感じられる料理。

子供も大人も人も魔法使いも関係なく、皆平等に生きている幸せを実感できる食という行為へのリスペクトがそうさせるのでしょうか。

他国の料理を研究したり、異世界の食事に興味を示したり、普段無気力な彼が珍しく積極的な姿を見れるのはかわいいですよね。

東の国の魔法使い同士の関係性

魔法使いは時折猫のようだと表現する賢者。

特に欲望に忠実で自由を愛する西や、警戒心が強く用心深い東の魔法使いは猫っぽさが強いと思います。

そんな東の魔法使いたちですが仲間意識が芽生えれば互いを守り合い、気にかけ、助け合います。

賢者に「信用しないでくれ」と言ったネロくん。

しかし東のネロの印象は“頼れる、優しいし大人っぽい”と好印象のものばかり。

それどころか、シノからははっきりと「信用してる」とも言われます。

ネロは他者と壁を作るように過ごしてはいますが「腹が減った」と部屋を訪れるシノの為にいつでも食べれるようなものを用意しています。

人見知りで遠慮がちなヒースには『お互い気を遣うたちなのがわかるから、必要以上に気にするのはやめよう』と言ったり、互いに踏み込んで欲しくない過去があるファウストに対しても距離感を適切に保ってくれたりします。

ブラッドリーの言う「居心地のいいやつ」という言葉が本当にしっくりくるのが分かりますね。

適切な言葉選びができるところもブラッドリー譲りかもしれません。

ネロの心にあるもの

ブラッドリーからすべてを教わったネロですが、勿論すべてを鵜呑みにしたわけではありません。

納得できずにいたその感情はネロとブラッドリーの違いを決定的に分けたものでもありました。

死んでほしくない。生きていてほしい。

何の為に生きるのか、その頂点にあるものが違ったのか。

そうではない、と私は思います。

捨ててほしくないものを、大切なものを、大事にしてもらえなかったから生じた亀裂のように感じました。

絶妙なニュアンスの違いですがどちらにせよブラッドリー・ベインという男は伝えていれば、理解はしたでしょう。

納得はしないでしょうけれど。

魔法は心で使うもの。

それが常識の世界で心に入った傷を無視することは難しいでしょう。

ネロはブラッドリーと共にいられないと気付いたと言っていました。

死臭と絶命の声は人も動物も心を乱す不愉快なものです。

それは魔法使いの精神を消耗させるものだとファウストは言っていました。

何度も死にそうになりながら無茶を続けるブラッドリー、夢にまで出てきてもおかしくはありません。

そんな悪夢に毎晩魘されていたとしたら。

ネロの心が、精神が、どうなっていったのか、想像を絶します。

無茶をして、命を削っていたのは一体どちらだったのか。

とはいえ、共に生きることができないと言われている魔法使いが400年以上共に生きてきたことに違いはありません。

彼らが共に過ごした時間や共有した感情を、私たち賢者にははかり知ることができないでしょう。

だからこそ今の”東の飯屋”としてのネロを、ブラッドリーは気に入っているのかもしれません。

ずるいのはご愛敬

生真面目で実直で根に持つ東の魔法使い。

そんな中でも北出身のネロは融通が利いたり正当方じゃないこともできたりと、ちょっぴり悪いところが魅力的です。

シャイロックほど積極的に揶揄うことはありませんが基本的にはのらりくらりと立ち回っています。

若い魔法使いたちには大人っぽい、余裕があるとも言われます。

その一方で意志の弱さから他人に振り回されやすく、年上の魔法使いからは揶揄われることが多いように見えます。

人によって対応を変えているというよりは柔軟に変化しすぎるので右にも左にも転がってしまう、と言った感じでしょうか。

人の形を変えようとしない、ありのままに受け入れるネロだからこそ見れる光景でもありますね。

2周年ストーリーではオズとミスラに怒鳴りに近い説教をしてみせた直後にファウストの後ろにこそこそと隠れる、といった即落ち2コマみたいな芸当もしてみせてくれました。

こうした小さい子への間接的な言動も、ネロが生きてきた中で大切にすべきことの優先度が滲んで見えるような気がしますね。

ネロと賢者との関係

 

信用しないでほしい、自分がわからない、ネロをネロとして求められる、とマイナスな会話が多い親愛ストーリー。

ですが最後には、まずは何者でもない同志友達になりましょうと提案する賢者。

ネロの繊細な優しさに気付ける賢者もまた優しい人物なのが伺えます。

軽口を叩いたり、揶揄ったり、少しずつ心を開いてくれるネロ。

ファウストとはまた違った方向で人を信じたくない彼ですが、賢者との関係も良好になっています。

そんな彼が抱えている盗賊団の空中分解の真相。

単純な過去ではないでしょうけれど、いつか昔話を肴にして笑い合う日が来ることを願います。

そんな日が来ることを願って、今日も彼が鼻歌を歌いながらキッチンに立っている姿を想像してします。

魔法使いも人も子供も大人も賢者も関係なく温かい食事を囲む。

そこがきっとネロ・ターナーの居場所だと、約束したい気持ちはあっても構わないでしょう。

賢者は、魔法使いではないのだから。

画像はアプリ「魔法使いの約束」より

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