声優養成所に通うからには、「事務所に所属」できなければ意味がありません。所属できなければお金をドブに捨てるようなもの。まずは所属したいと誰もが考えています。
それでは単純に、どのくらいの人が養成所から事務所に所属出来ているのでしょうか。
人数を公開している養成所をピックアップして調べてみました。
声優事務所付属の養成所
81ACTOR’S STUDIO
所属率:5%、かかる費用:約100万円
81プロデュースの運営する事務所です。
週1クラスと本科クラスがあり、本科クラスで1年間レッスンをした後、研究生になれるかどうかのオーディションがあります。本科クラスからの入学も可能です。研究生として8カ月レッスンをした後、所属(ジュニア、実際は預かり所属)になれるかどうかが決まります。
本科クラス 約100人(年間授業料 約64万)
研究生 約30人(授業料 約30万)
預かり 約5人
本科から預かりに慣れる確率 5%
かかる費用 約100万円
青二塾
所属率:13%、かかる費用:約100万円
青二プロダクションの運営する養成所で、あらゆる養成所の中で一番厳しいと昔から有名です。他の多くの養成所が週に1日のレッスンなのに対し、青二塾は週5日・10時~15時までの全日制です。養成所というより専門学校をイメージしたほうが良いかもしれません。入所オーディションがあるため、まずはオーディションを潜り抜ける必要があります。
塾生 60人(入所金10万 学費88万)
預かり 20人
所属オーディション 8人前後
塾生から所属できる確率 13%
かかる費用 約100万円
大沢事務所
所属率:不明 かかる費用:無料
養成所はないけれど研究生制度があり、毎年1回、研究生を募集している。
研究生になれば無料でレッスンを受けられる。
それ以外には以下の方法として
- ドラフトオーディションでスカウトされるのを狙う
- 他の事務所からデビューして実績をつけ事務所にボイスサンプルを送る
- 大沢事務所関係者に紹介してもらう
俳協ボイス
所属率:0~6% かかる費用:約32万円
俳協(東京俳優生活協同組合)の養成所で、学費が安く通いやすいことで知られています。スタンダードクラス(6カ月)のあと進級オーディションを受け、それをクリアするとアドバンスクラス(6カ月)に進み、その後所属オーディションが行われます。
養成所のレッスン代が他の養成所と比べるととにかく安いこと、半年でまずは1回目の結果が出ることから「まずは俳協ボイスに行ってみよう」と選ぶ人が多いのですが、アドバンスに上がるとき、所属するときで多くの人がふるい落とされます。「厳しい」という印象のある養成所です。
スタンダードクラス 160人(学費 242,000円)
アドバンスクラス 10~20人(学費 88,000円)
ジュニア所属 0人~10人(期によって違う)
アドバンスから所属できる確率 0~50%
スタンダードから所属できる確率 0~6%
所属までにかかる費用(約32万円)
日本ナレーション演技研究所
所属率:不明 かかる費用:本科から入り週1コースの場合60万
アーツビジョンやアイムエンタープライズの付属養成所です。養成所は東京や大阪などの大都市だけでなく、各地に多数あるため、通いやすい人が多いはずです。基礎科1年、本科1年、研究科1年を経て所属オーディションがありますが、本科から入学することもです。
学費は基礎科・本科・研修科共通で、
週1クラスの場合、入所金10万円、学費20万円
週2クラスの場合、入所金10万円、学費36万円
週3クラスの場合、入所金10万円、学費50万円
となります。
基礎科 1クラス20~30人
本科 基礎科から約半分(50%)
研修科 本科から約半分(50%)
預かり所属 不明
所属までにかかる費用 (本科から入り週1コースの場合、60万)
日ナレは進級テストで落ちても、学費を払えばもう1年勉強して再度進級テストを受けることができます。例えば梶裕貴さんは所属するまで5年通ったことで知られています。
プロ・フィット養成所
所属率:30~60% かかる費用:約60万円
プロ・フィットが運営する養成所です。
基礎科・本科があり、本科で1年レッスンを受けたあと所属オーディションがあります。
ただし、本科に入学するには書類審査を通らなくてはならず、この書類審査の倍率が非常に高いことで知られています。
基礎科 15人(入所金無料、レッスン代月2万<年間24万>)
本科 15人(本科から入学の場合のみ入所金25万、レッスン代月3万<年間36万>)
預かり所属 5~10人
本科から預かりに慣れる確率 30~60%
かかる費用(本科から入学した場合) 約60万円
※声優事務所プロ・フィットは現在マネジメント業務を終了していますが、プロ・フィット養成所の卒業性は岡本信彦さんとプロ・フィットのマネージャーが作った声優事務所「ラクーンドッグ」に入所できる可能性があります。
アクセルゼロ養成所
所属率:約14%? かかる費用:約140万円
アクセルワンの養成所で、2年制となっており、全員が基礎科から入学します。
基礎クラス(1年)・研究クラス(1年)・選抜クラス(1年)があり、それぞれ上のクラスに上がる際にオーディションがあります。選抜クラスでオーディションに通れば無事にアクセルワンに所属できます。
基礎クラス 120人(入所金約10万、学費約42万)
研究クラス 120人(学費約42万)
選抜クラス 30人(学費約42万)
預かり所属 (2011年の選抜クラス27名は多くの生徒がデビュー)
選抜クラスから預かりになれる確率 約14%?
※選抜クラスから預かりに慣れる確率 2021年9月時点でジュニアが42人。誰も退所していないと仮定すると、10年で300人の選抜クラス生がいたなかで42人がジュニア(おそらく預かり)だとすると、預かり所属になれるのは14%という計算。
かかる費用 約140万円
インターナショナル・メディア学院
所属率:不明 かかる費用:アドバンスコースからなら約65万円
IAM付属の養成所で、制作会社がグループ会社にあるため、良い生徒は在学中からどんどんデビューさせる方針の養成所です。そのため、早い人だと3カ月くらいで声優デビューをすることもあるのだとか。
また、zoomを使ったオンライン授業もあるので、家が遠い人や地方に住んでいる人にもチャンスがあります。
ベーシックコース 入所金約10万円、月謝約4万円(年間約60万円)
アドバンスコース 月謝54,000円(年間約65万円)
所属人数不明だが、入所1年以内にデビューした人は400人超
かかる費用(アドバンスコースからなら、約65万円)
事務所付属ではない声優養成所
総合学園ヒューマンアカデミー声優コース
所属率:不明 かかる費用:早い人なら176,000円
全日制の「声優専攻コース」、声優のレッスンを受けながら高校の卒業資格が得られる「声優+通信制高校コース」、学校や仕事と両立しながらレッスンが受けられる「夜間・週末講座コース」、新宿校のみですが「新聞奨学生コース」と複数の学び方から選択できます。
在学中に受けられるオーディションの数が300以上(声優専攻コース・2017年実績)と、学びながらデビューできるチャンスが豊富。81プロデュースや青二プロダクションなど、協力プロダクションに所属できるチャンスもあります。
声優専攻コース(2年 学費は校舎によって異なるが、初年度納入額100万円以上)
夜間・週末講座コース(半年~1年 学費は半年で176,000円)
プロダクション所属率 不明
所属までにかかる費用(早い人なら176,000円)
アミューズメントメディア総合学院
所属率:72% かかる費用:最短なら38万円
本科(全日制・2年)と声優専科(夜間・週末の半年~1年)、オンライン専科(全20回)があります。特徴は、1社のプロダクション関係者を招くオーディションが約70社開催されることで、在学中に狙ったプロダクションのオーディションが受けられます。また、オーディションの回数に制限はなく、好きなだけオーディションが受けられます。
専科は入所時にオーディションを受け、基礎コース(半年)、研究コース(半年)、マスターコース(1年)のいずれかに振り分けられます。プロダクション所属オーディションを受けられるのはマスターコースの生徒です。基礎コースと研究コースの生徒は半年ごとに鍼灸試験があり、合格すればマスターコースに入れます。
アミューズメントメディア総合学院は毎年の所属率を公開しています。
2022年3月卒業生の所属率は、なんと71%!
非常に好成績です。
本科(初年度128万、2年次118万)
専科(マスターコース<1年>年間38万円)
事務所に所属できる割合 72%(2022年実績)
所属までにかかる費用(最短なら38万円)
映像テクノアカデミア
所属率:約70% かかる費用:約50万円
洋画や海外ドラマの配給会社である東北新社が運営する養成所です。初心者対象の「アニメ・外画コース ステップ1」(半年または1年)、経験者対象の「ステップ2」「ステップ3」の3つのコースがあり、ステップ2、ステップ3からの入学も可能です。ステップ3の卒業前にプロダクション関係者を招いた公開オーディション(プレゼン)があり、プロダクションに所属できるかが決まります。
ステップ1 1クラス約10人(学費は1年で約50万円)
ステップ2 1クラス約20人(学費は1年で約50万円)
ステップ3 3クラスあり、全部で約60人(学費は1年で約50万円)
プロダクション所属率 全体の70%
所属までにかかる費用 ステップ3からなら約50万円
所属率まとめ
アミューズメントメディア総合学院(AMG) | プロダクション所属率 71%(2022年実績) |
映像テクノアカデミア | プロダクション所属率 全体の70%(年度不明) |
プロ・フィット養成所 | 本科から預かりに慣れる確率 30~60% |
アクセルゼロ養成所 | 選抜クラスから預かりになれる確率 約14%? |
青二塾 | 塾生から所属できる確率 13% |
81ACTOR’S STUDIO | 本科から預かりになれる確率 5% |
俳協ボイス | スタンダードから所属できる確率 0~6% |
大沢事務所
日本ナレーション演技研究所 総合学園ヒューマンアカデミー声優コース |
不明 |
所属率だけで見ると、アミューズメントメディア総合学院(AMG)が最も高いです。
ヒューマンアカデミーは所属率を出していませんが、事務所所属オーディションのほか、作品に出演するためのオーディションも多数開催されており、2017年だけで445人が在学中にデビューしています。
具体的な所属割合は、授業を見学に行った際に講師や学校のスタッフに直接質問してみるのもアリです。
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