声優と会社員は両立できる?会社員でいるべきかバイトに切り替えるべきか

声優になりたい、憧れているけれど、今は会社員なんだよな……
会社を辞めないと声優を目指せないのかな。でも正社員じゃなくなるのは、人生のリスクが高すぎるよな……

そんな風に悩んでいる人、多いのでは。

けれど、今は週1や夜間で通える声優養成所もたくさんあるし、声優事務所に所属したからといって、すぐに売れっ子になって「声優の仕事で忙しい」となるわけではありません。

最初のころなら余裕で、声優と会社員を両立できます。むしろ、会社を辞めないほうがいいんです。

  • 声優と会社員(正社員)は両立できるのか、
  • 声優になれたら、どのタイミングで会社を辞めればいいのか

をお伝えします。

養成所と会社の両立は可能、声優養成所に通っている間は会社を辞めてはいけない

  • 両立はできる
  • 売れるまで会社は辞めるな
  • 通勤するだけで給料もらえるのはありがたい

結論から言うと、声優と会社の両立は可能です。

派遣社員や契約社員をしながらでもできますが、正社員と声優も両立できます。

もちろん超売れっ子になってバンバン声優の仕事が入ってくるようになったら会社を辞めて声優の仕事1本に絞ったほうが良いですが、そうなるまでにはある程度(かなり)の時間がかかります。

ですから、いま会社員(特に正社員)の人は会社を辞めないほうがいいし、会社員をしながら養成所に通い、所属してもしばらくは会社勤めを継続するべきです。

というのも、養成所に通うにはお金がかかります。そして養成所を卒業して無事どこかの声優事務所に所属できたとしても、その先もいろいろなことにお金がかかるのです。

声優を目指す人や声優の「お金がかかる場面」

  • 声優養成所のスクール代 全日制なら1年100万円以上、週1や夜間なら年間50万円前後
  • 宣材写真(プロフィール用写真)撮影費用 3万前後
  • ボイスサンプル録音費用 2~3万
  • オーディションや宣材写真撮影前に用意するべき服や美容院代
  • ボイストレーニング、演技レッスンなどのレッスン代 週1でも月1~2万

声優養成所のスクール代は養成所を卒業して事務所に入ればかかりませんが、それ以外の宣材写真やボイスサンプル録音費用、オーディション用の服代などは、声優を目指し続ける限り、声優でいる限りかかり続ける費用です。

そしてレッスン代も、自分を磨き上を目指すためには必須。

事務所に入ってからは事務所主催のレッスンが受けられるかもしれませんが、多くの場合、事務所のレッスンも有料です。また、事務所の先輩(大御所声優)の私塾に誘われる場合もあります。私塾に参加するとレッスン代やその後の飲み代がかりますが、先輩声優やその周辺の方々と繋がれる、勉強させてもらえるというメリットがあり、何より先輩の顔を立てるためにも拒否するという選択肢はありません。

事務所に入ってからのほうが、よりお金がかかる可能性が高いのです。

会社勤めで確実にもらえる月給はとても大切。ギリギリまで辞めるな!

とにかく声優を目指すには、そして売れっ子になるためにはお金がかかります。

その費用を確保するためにも会社員のポジションをできるだけ長く確保し「決められた時間と日にち出勤すれば、確実にある程度のお金が入ってくる」環境は必須です

また、会社で人間関係を広げておくと、そのあと自分が舞台に出演する際にチケットを買ってくれる人の候補が増えるというメリットがあります。

※声優は俳優の一種ですから、舞台に出演できるチャンスもあります。むしろ、演技力を磨くために積極的に舞台経験を積むべきです。しかし、舞台出演にはチケットノルマがセット。「舞台に出るため数万~十万円前後のチケットを買って売りさばく」ことが条件です。お客さんを呼べない場合は自腹でノルマを支払いますが、自分からチケットを買ったお客さんが来てくれれば、その分のチケット代は自分のもとに戻ります。

正社員をしながら声優でいる金銭的なメリット

現実的な話をもう少し。

正社員でいると、退職時に退職金をもらえる会社が多いです。わずかな金額かもしれませんが、ないよりマシ。

むしろ、駆け出しの声優にとって、まとまったお金はとっても助かります。

というのも、声優は会社員のように「前月のお給料を翌月もらえる」わけではないから。

声優に限らず芸能系の仕事は、仕事をしてからギャラが振り込まれるまで、3カ月~半年くらいかかります。

ですから、急に仕事が増えて売れっ子になったとしても、その増えた分のギャラがもらえるのは半年後くらいになる可能性が大きいのです。

つまり、突然売れてしまうと「ギャラがまだ入ってこないのに、仕事やオーディションは毎日あって、無給の期間が長い! 生活費が……!!」という事態になりかねないということ。

そう考えると、たとえそれが1か月分の給料くらいの額にしかならなくても、退職金でまとまった金額がもらえるのはすごくありがたいのです。

繰り返します。

売れっ子になる予兆が見え有給を使い果たすまで、会社を、特に正社員を辞めてはいけません!

会社員をやりながら声優を目指すなら、週1コースや夜間コースの養成所に通おう

養成所のレッスン形式はいろいろで、週に1回だけ通えばいい週1コースや、週に数回平日の夜間だけレッスンを行う夜間コースがある養成所も珍しくありません。

【週末だけ】週1回のレッスンで声優になれる養成所【働きながら・大学と両立して声優になる】

週1コースや夜間コースがある声優養成所の中でもおすすめは、卒業時に「ドラフトオーディション」が受けられる養成所です。

ドラフトオーディションとは、複数の声優事務所や芸能事務所のマネージャーや社長を招いて、彼らの前で自己PRやセリフ、ナレーションの発表をし、良いと思った生徒に事務所側から声をかけてもらえるという制度。

自分から事務所を選ぶことはできませんが、複数の事務所から「ぜひうちに所属しませんか」と声をかけてもらえるチャンスがあるため、声優事務所に所属しやすい、所属できる可能性が高いというメリットがあります。

代々木アニメーション学院のドラフトオーディション、所属率90%

例えば代々木アニメーション学院の2021年のドラフトオーディションでは、ドラフトオーディションに参加した32名の生徒のうち、29名が所属事務所決定、ある生徒には16社から声がかかったそうです。(代アニのドラフトオーディションは、学内審査を経て優秀な生徒のみがオーディションを受けられます)

代々木アニメーション学院声優コースのドラフトオーディション、所属率やオーディションの内容に迫る!

代アニも週1コースがある養成所。学費も安いので、会社員をしながら声優を目指したい人にはぜひチェックしてもらいたい学校です。

アミューズメントメディア総合学院も所属率70%超え

東京の恵比寿と大阪に校舎があるアミューズメントメディア総合学院も、ドラフトオーディションがある声優養成所。

こちらも、例年約70%超えの所属率を誇る優秀な養成所です。

アミューズメントメディア総合学院2022年卒業生実績

出典:アミューズメントメディア総合学院

アミューズメントメディア総合学院からは、大沢事務所や81プロデュースなど大手事務所に所属し、活躍している声優がたくさんいます。

アミューズメントメディア総合学院なら声優事務所所属へのチャンスが多い

ドラフト式オーディションがある声優養成所4選

事務所に所属しても、すぐに仕事は来ない

めでたく養成所を卒業して所属する声優事務所が決まっても、そこで会社を辞めてはいけません。

というのは、最初はまず仕事が来ないから。

事務所に入ったら事務所のマネージャーに自分の顔や声の特徴、得意な役柄のタイプやお芝居の傾向を覚えてもらうことが先決で、そこから「こういうオーディションあるけど、この日行けますか?」とオーディションのオファーが来るのを待つかたちとなります。

ただ、事務所には複数の先輩声優がいるため、オーディションのオファーをもらうにも、先輩たちと比べて遜色ない実力があることが前提。

そのため、事務所開催のレッスンや勉強会に顔を出し、社長やマネージャーに「覚えてもらう」「実力を認めてもらう」ことが必須なのです。

仕事の話が来るのはその後です。

数いる先輩を超えてオーディションの話をもらうには? マネージャーに積極的に売り込んでもらうには?

もし「オーディションがあるんだけど、〇月〇日、空いてる?」と聞かれたら、その日に有給を取ったり、何かの理由を付けて会社を休めばいい話。

古い話ですが、80年代や90年代に舞台で活躍していた役者さんたちは、舞台に出演するために「身内の不幸があったことにして会社を休む」のを常套手段にしていました。「やりすぎて、生きてる身内がいない設定になってしまった」状態になる役者さんは少なくなかったそうです。

だんだん実力が認められてオーディションに呼ばれる回数が増え、それで有給を使い切ってしまったくらいになって、初めて「会社を辞めて、オーディションや仕事に行きやすい仕事に転職する」「バイトに切り替える」ことを考えるくらいで大丈夫です。

それまではひたすらお金を貯めて勉強会やレッスンにつぎ込みつつ、余ったお金は「会社を辞めた後の生活費」のために貯蓄しましょう。

声優養成所に通って事務所所属をかけたオーディションを受けることが先決

とはいっても、自分で何らかの行動を起こさなければすべて絵にかいた餅。何もしないままで歳だけとって時間は過ぎています。

夢をかなえたいならまずは自分からアクションを起こすことが大事。

まずは気になる声優養成所のパンフレットや資料を取り寄せて、いいなと思ったところに見学に行ってみましょう。

自分の目で見て確かめることで「私はこうしたい」「このタイミングでこれをしよう!」と自分のすべきことが見えてくるはずです。

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