2部の最終章となる8幕「The Greatest Journey」をついに先日、読了しました。
冬組の第四回公演「怪人Fと嘆きのオペラ」を軸としたこの物語、われらが誉さんがとーってもいい味を出していました!
以下、ネタバレだらけなので注意してお進みください!
8幕では、冬組メンバーから見た冬組メンバーが語られている
8幕は、シトロンの従者だというガイがMNAKAIカンパニーを訪れるところから始まります。
ガイの登場により、シトロンがザフラ王国の第一王子であることが発覚。
また、ガイは自分で自分を「アンドロイド」だと名乗り、シトロンもガイをアンドロイドだと暑かったため、劇団員たちはあまり疑問を持つ様子もなく、ガイをアンドロイドとして受けれいています……なんかこのあたり、ユーザー的にはツッコミどころ満載なんですが!
でも、あまり疑問を感じる様子もなく、アンドロイド・ガイを受け入れているMANKAIカンパニーの劇団員たちの様子は、それはそれで面白いというか、可愛いというか……読み手であるこちらも自然と「受け入れている劇団員を受け入れて読み進める」という感じです(笑)
シトロンが王位を継承するためザフラ王国に帰ることになり、寂しいながらもシトロン自身が納得している様子に、それを受け入れざるをえない監督や団員たち。
ところがシトロンは、千景に頼んである日、こっそり一人でザフラ王国に帰国してしまうのです!
しかも、シトロンが1年以上外国に身を潜めていたのは「ガイに幽閉されていた」とシトロンが説明したため、ガイは誘拐犯のような扱いに。
国に帰ることができなくなり、同時にシトロンが抜けた穴を抱えたMNAKAIカンパニーのため、ガイはMANKAIカンパニーに身を寄せながら、冬組の臨時役者として公演に参加することになるのです。
さて、そんな中、ガイは紬との会話中に、自分が見ている冬組のメンバーの印象と、実際の姿は違うことを知ります。
ガイは一人ひとりと会話をしながら、それぞれの「本当の姿」を探っていくのです。
というわけで、ガイと冬組メンバーそれぞれの会話の中で、それぞれが他の団員をどう見ているのかというのが分かるのですが、これがとても興味深かった!
こちらは、東に対して密がガイに語る場面。
これは誰もが感じている東像ですが、それだけでなく
密は、東に対して守ってあげたいという感情も持っていたのです!
これはちょっと驚きでした。
そんな東は、丞をこんな風にとらえています。
一人実家に帰る東に丞が付き添うエピソードもあり、8幕は丞の芝居バカ以外の側面を濃く描いているストーリーとなっていました。
誉と密の関係性が面白い
寮では同室で、正反対な性格なので「すっごく仲良し」とは言い難いような印象がある有栖川誉と御影密ですが、8幕で面白い関係性を見せてくれています。
困ると言いながらも笑顔の誉。
誉は密のマシュマロ係で、密がマシュマロを消費するペースを完全に把握し、マシュマロ切れを起こしていないのが自慢!(5幕より)
そして、御影密という人物を冷静に確実にとらえている密……
これだけなら、嫌いになりそうなんだけど
密の不愛想なところやわがままなところも含め、誉は密を受け入れていることが、誉の口からはっきりと語られているのです。
こんな誉のことを、密がどう思っているのかというと
……な、なんてわがままなの、密!!!
ものっすごくわがまま放題な密ですが、密がこういう風にわがままをぶつけられるのは(好意的に考えれば)誉に対して安心しきっているから、完全に信頼しているからだとも言えなくありません。
自分が何を言っても、何をしても、見捨てられない、そばにいてくれるという安心感があるからできる言動なのではないかと思わなくもないのです。
8幕では、密と誉のこんなやりとりも随所に見られます。
誉のツッコミに「その通りだ」と思わず笑ってしまうのですが、こんな掛け合いができるくらい、気を許せる相手なのだと感じられたのが8幕でした。
ちなみに、誉さんのマシュマロに「飽きた」と言っている密ですが……
いきなりマシュマロの袋を奪うくらいには、誉さんのマシュマロが好きなようです♪
8幕では有栖川誉が素敵な発言をたくさんしている!
8幕では、誉さんがとても魅力的な言葉をたくさん残しています。
冒頭から、ガイがアンドロイドだということを疑いもせず受け入れ、しかも便利だと認めているところがまず素敵!
新生冬組では女形を演じた役者がいないという話題になったときの、誉さんの反応。
自ら立候補です!
けれどこのあと、すぐに丞から「でかすぎる」という理由で却下されています。
そう、誉さんは身長が181㎝もあるのです……
まあ、たしかに誉さんが女性を演じるのはちょっと無理があるね(笑)
酒を飲んで酔って泣きながら、ガイに向けたこんな一言。
面倒見の良さが出ています。
鉄仮面だったガイを爆笑させた誉のポエム。
この飲み会での誉の詩はめちゃくちゃ光ってました!
ザフラ王国で芝居をすることになり、不安を感じていた団員たちに対しての誉さんの一言。
詩人の誉さんが言うと、説得力あります!
ガイが人間なのかアンドロイドなのか、どちらなのかという場面。
どちらでもいい、ガイをガイとして受け入れよう、というのが冬組メンバーの総意でしたが、特に誉さんの言葉が強い説得力を持っていたように感じました。
そういうところにこだわらない、大物的な大らかさというのかな。
私は「有栖川誉て、大きな器を持った人なんだな」と感じる場面が多かったのですが、皆さんはどうでしたか?
8幕は、シトロンとガイを中心に、ちょっとした冒険活劇のような展開になっていました。
その中で、私の印象に一番残ったのは、有栖川誉の偉大さ!
誉さんの人間的な魅力が分かりやすく描かれていたのと同時に、CVの豊永利行さんが、とてもノッて演じていらして、そのテンションが伝わってきたのかな、と感じています。
誉さんの魅力の半分は豊永さんのお声と演技があってこそ!
素敵な誉さんを見せてくださって、どうもありがとうございます!
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