声優になる”裏技”、事務所に所属しないで、声優の仕事を取る方法

声優になりたい人はとてもたくさんいます。

アニメやゲーム、演劇が好きで、「私も出演したい」「作品作りに関わりたい」と思っている人は本当に多いです。

一般的に、皆さんんが思い描く声優になる道は、こんな感じではないでしょうか。

 

養成所に入る

オーディションを受けて事務所に所属する

作品のオーディションを受けて役をもらう

人気者の声優になり、指名で仕事がくるようになる

 

養成所はほぼ誰でも入れます。けれど、決して安くはない学費がかかります。一般的に、半年~1年で50万~100万円です。

それだけ払っても、事務所に所属できる人は数十名いる同期の中で数名。

養成所に入って高い学費を払っても「事務所に所属できず、別の養成所に入るところからやりなおし」という人がとても多いのです。

そうしていくつもの養成所を渡り歩いている人がたくさんいます。

 

そうそう、最初に私の自己紹介をしましょう。

今はIT業界にいますが、以前売れない声優をしていました。養成所を出た後、幸運にも老舗と呼ばれる事務所に入ることができ、少しだけ声優のお仕事をしましたが、いろいろ思うところがあり声優を引退した、元・声優です。

ですから、業界の事は多少は詳しく、今でも知人友人に、現役の声優・声優を目指している・そして、声優に仕事を依頼している、業界で働いている、という人が複数がいます。

「上手い」「実力がある」のに、声優事務所に所属できない

声優事務所に所属できるのは、「上手い人」「実力がある人」だと皆さん思っているでしょうが、そうではありません。

もっと上手な人や実力がある人がたくさんいても、「なぜこの人が?」と思う人が所属できたりします。

養成所で事務所所属のオーディションを受けたことがある人は

「〇〇さんが所属? △△さんのほうがずっと上手なのに」

という経験を必ずしているはずです。

事務所に所属できるかどうかは、それなりに演技ができるか、発声や活舌に問題ないか、センスがあるか、人として魅力的かという”声優としての要素”に加え、「声質やキャラが被る先輩声優がいるかいないか」に大きく左右されます。

例えば、すでに事務所にお姫様系のキラキラした声を出す女性声優がいて、清楚系アイドル声優として売り出していてしかも売れている場合、似たような声質・キャラはもういらないのです。ですから、

「この人は上手だし魅力があるけれど、うちにはもう似たような声優がいて、そっちが売れているからうちにはいらない」

となってしまうのです。

万が一そういう事務所に滑り込めたとしても、お姫様系キャラのオーディションが来たら、まず売れている先輩に先に話が来ます。自分のところにはオーディションの話もきません。

それなりに実力があって、上手でも、です。

そしてそのまま事務所で、仕事を一つもしないまま(オーディションの話すらこないから)何年も経過していく人も少なくありません。

もう一度、声優事務所所属をかけて養成所に入る? いやいや、それってまたムダになるかも

それでも声優事務所に所属できればまだいいいほうで、「それなりに上手いのに事務所所属のオーディションに通らない」という人もたくさんいます。

所属オーディションはいつでも開催されているわけではなく、多くの場合養成所を卒業する直前。

養成所直属の事務所に入れなければ、また違う事務所付属の養成所に入って、そのために何十万かを工面し、さらにここで1年か2年費やし、でもその先は見えないというルートをたどることになります。

けれどここまで、声優になるために毎日発声練習や活舌の練習をして、外郎売を読んで、いろいろな先生のレッスンを受けて……とやってきたのに、「ここで諦めきれるか」という思いもあり、「最後の挑戦」とまた養成所にトライする人も少ないでしょう。

けれどその先、やはり事務所に所属できるか、声優としての仕事がもらえるかというと、それはまた疑問で、うまくいかない可能性のほうがずっと大きいのです。

それなら、最初から”フリーランスの声優”としてやってみれば?

これからさらに百万円近いお金を払い、1年か2年費やしても事務所に所属できる可能性は少ないです。

所属できたとしても、オーディションの話が来て、実際にオーディションに通り仕事がもらえる可能性はもっと少ないでしょう。

声優はとても「狭き門」だと言われています。

確かに半分はその通りですが、半分はそうではありません。

養成所、事務所所属、オーディションという流れをすっ飛ばして声優になる方法、声優として仕事を得て、声優として食べていく方法もあるのです。

それが、「フリーランスでやる」方法。

もちろん、へたくそで実力がなければ無理ですが、ある程度養成所に通ったり声優事務所に所属して(仕事はもらえなかったけど)レッスンを受けて訓練をしてきた人なら、いける方法です。

声優事務所に所属しないということは

事務所がしてくれるのは、仕事を取ってきて、それを事務所に所属する声優に振り分け、入ってくるお金(ギャラ)と支払うお金(報酬)の管理。

それから、アニメやゲームのオーディションの話は事務所に来るので、そのオーディション情報を振り分けるのも事務所の仕事です。

また、超売れっ子になった場合はスケジュール管理などもしれくれますが、こうなるのはほんの一握りの人たちだけで、傍から見ていて「売れてきている声優」でも、実際にはバイトと声優の二足の草鞋という人もけっこういます。

事務所に所属しないということは、自分で仕事を取る、お金の管理も自分でする、ということになります。

無名の新人のフリーランスだと、人気アニメやゲームのオーディションの話はまず来ませんが、そういう仕事がまったくできないというわけではありません。無名のフリーランスでも、アニメやゲーム、外画の吹き替えをしている人はいます。

いったい、そういう人はどうやって「声優の仕事」を取っているのか。

それは、営業です。

事務所が営業するかわりに、自分で自分の営業をしているのです。

たしかに営業をするという手間はかかりますが、そこで「ちょうど声優を探してたんだ。ナレーションをお願いしたい」なんて話が出たら、それはもれなく自分の仕事になります(同じ事務所の誰かとオーディションで戦うというリスクはありません)

また、自分が営業することで、制作会社のフロントと直接つながれるので、「今度こういう仕事があるんだけど、やってみる?」なんて話が直接自分に舞い込むことも夢ではないのです。

自分で営業すると、仕事をゲットできる率が各段にあがるのです。

フリーランス声優だけで”食べている”人を知っている

とは言っても、フリーランスの声優で、声優の収入だけでやっている人なんてほんとにいるの?と思う人もいるでしょう。

小林由美子さんや遊佐浩二さんのような、もともと事務所に所属していた超人気声優で、その後独立してフリーになった場合は、当人のネームバリューで向こうから仕事が来ますが、無名の新人の場合は難しいのでは?と思ってしまいますよね。

でも大丈夫です。

無名の新人のフリーランス声優からスタートし、声優のお仕事だけで食べている声優を知っています。

その人は、某大手の声優事務所に所属していましたが、事情により事務所を退所。そのまま以前の名前を使うことができなかったので名前を変えてフリーランス声優として活動していた人です。

実力はあったけれど事務所のバックアップなんてなく、むしろ名前が使えなくなってしまったため本当にゼロからのスタートで(でも以前の名前でも売れっ子・有名というわけではなく、たくさんいる新人・若手の一人だった)、「声優だけで食べていく」を実現した人です。

私もけっこうな回数お会いしているのですが、謙虚な方で、でも実力はある方です。

彼女と一度お仕事をした企業さんは、かなり高い割合で「またうちの作品に出て」と彼女に声をかけてリピート採用していました。

これはもう、その企業が声優としての彼女を気に入ったので、わざわざオーディションなんてすることもなく、その企業が会社紹介や商品紹介のプロモーションビデオを作成するときは、もう絶対に彼女なのです。

「こういうのもアリなんだな」と、彼女のお仕事の話を聞きながら、目からうろこが落ちる思いでした。

今からもう何年も前の話です。

”フリーランスの声優”に頭を切り替えてチャレンジしてみては?

事務所所属を狙っている人、今いる事務所がクソだから、他に移りたいと思っている人、かなり多いと思います。

そして、そうこうしている間に年齢を重ねてしまって、「こんな年齢でもまだ挑戦できるかな」と不安に思っている人もいるでしょう。

事務所所属を狙うのもいいですし、事務所を移るのもいいですが、そこに「フリーランスでやってみる」という選択肢を加えるのもアリだと思います。

フリーランスの声優になるメリット

 

  • 養成所に大金をつぎ込まなくていい
  • ギャラは全部自分のもの、事務所にマージンを抜かれない
  • 制作会社とマンツーマンでつながり顔を売れるチャンスが増える
  • 事務所開催の役に立たない勉強会に参加しなくていい(勉強会費を支払う必要がない)
  • 事務所の先輩をヨイショする集まりに参加しなくていい
  • やりたい仕事だけ選べる
  • やりたいジャンルの仕事だけできる

ほかにもいろいろメリットはあります。

なにより、「早く現場に出られる」のは大きなメリットです。

ただ、「どうやって営業すれば」「どうやって自分を売れば」「どこに売り込むの??」と疑問を感じる人も多いでしょう。

そんな人にオススメなのが、現役フリーランス声優が教える「声優完全受注ガイド「ACTIVE」 」です。

営業に必要なポートフォリオの作り方、営業の仕方、営業先の探し方などが詳しく紹介されています。

私自身、声優時代は事務所所属でいろいろ苦労しました。

その後、別の仕事でフリーランスとして一応成功(金銭的に安定し、毎日を充実してすごしている)しているので、世の中のいろいろな職種の人に「フリーランスになったほうが、もっと自由に、楽しく仕事ができるのに(しかももっと儲かるのに)」と感じ、折に触れて「フリーになれば?」と勧めています。

そういう意味もあって、このガイドは「売れていない現役声優、声優を目指してがんばっているけれど、スムーズに事務所に入れず苦労している人達」に全力でオススメしたいし、ぜひ読んでほしいと思っています。

事務所には入ったけれど、仕事が全然なくて「声優を辞めようか」「事務所を辞めようか」と悩んでいる人、事務所所属のチャンスを何度も逃してはそれでも声優になるのを諦められない人。

完全に諦める前に、最後のもがきをしてもいいのでは。

フリーランスになった先に、想像もしなかった「声優として生きる自分」の姿があるかもしれません。

声優完全受注ガイド「ACTIVE」

そうそう、私が所属していた事務所は、仕事をすると40%のマージンが抜かれました。なので、手元に残るお金はとても少し。

フリーランスになるとマージンを抜かれないというのも、すごく大きいですよ……!!

新人声優の給料(ギャラ)ってどれくらい?手取りは?給料明細公開!