ドラフト式オーディションとは、各声優事務所のマネージャーや社長を招き、彼らの前でセリフやナレーションを披露する型式のオーディションです。
事務所は「この子が欲しい」と思った子に声をかけ、複数の事務所からスカウトされる可能性もあるという、非常にチャンスの多いオーディション。
声優志望者には夢のような話だと言えます。
ところが、ほとんどの養成所ではドラフト式オーディションがなく、ドラフト式オーディションを行っているのはごく一部の声優養成所です。
ドラフト式オーディションがある声優養成所を紹介します。
代々木アニメーション学院
- 学費の安さは業界随一(週1コースの場合)
- ドラフトオーディションからの所属率9割以上で業界トップクラス
- 校舎が全国にあるので、実家から通って学べる
声優養成所・専門学校としては非常に有名な代々木アニメーション学院のドラフト式オーディションは、所属率が9割を超える、とてもレベルの高いオーディションです。
もっとも、ドラフト式オーディションを受けるための学内オーディションもあるため、代アニの中でも実力の高い生徒だけが受けられるオーディションだと言えます。
代々木アニメーション学院声優コースのドラフトオーディション、所属率やオーディションの内容に迫る!
代アニは全日制の専門学校というイメージがあるかもしれませんが、会社や大学、専門学校に通いながら声優の勉強ができる「全日社会人夜間学部/全日Wスクール学部」や「週1コース」もあり、さまざまな年代の生徒が学んでいます。
代々木アニメーション学院出身の主な声優
古賀葵さん、中島ヨシキさん、斎賀みつきさん、松岡禎丞さん、渕上舞さん、鳥海浩輔さん、田村ゆかりさん など
代アニ声優タレント科 全日社会人夜間学部/全日Wスクール学部(2年制)
授業は平日夜間と土曜日なので、学校や会社と両立しながら声優のレッスンが受けられます。
日曜日は完全にオフ。バイトをしてお金を稼いだり、休日にして体を休められます。
ただし、全日社会人夜間学部/全日Wスクール学部があるのは東京校(水道橋)のみとなります。
代々木アニメーション学院 全日社会人夜間学部/全日Wスクール学部の学費
1年次 | 入学金:20万円 年間授業料:69万3,000円 施設設備費:38万5,000円 教材費:5万5,000円合計:155万3,000円 |
2年次 | 入学金:20万円 年間授業料:69万3,000円 施設設備費:38万5,000円 教材費:3万3,000円合計:133万1,000円 |
代アニ声優タレント科 週1コース(半年)
代々木アニメーション学院では、週に1日だけのクラスも開講されています。
声優コースが開講されているのは、
- 札幌校
- 仙台校
- 東京校・池袋校
- 金沢校
- 名古屋校・
- 大阪校・なんば校
- 広島校
- 福岡校
です。レッスンは平日夜間か土日で、校舎によって開講される曜日や時間帯が異なります。
詳細はこちらから。
代々木アニメーション学院 週1コース 声優科の学費
年齢制限 | なし |
在籍期間 | 半年(平日夜間もしくは土日) |
学費 | 入所金30,000円、受講料120,000円、合計15万円 |
卒業後 | ドラフトオーディションを受け、事務所から声がかかれば所属できる。 |
アミューズメントメディア総合学院(AMG)
- ドラフトオーディション+特定の事務所対象のオーディション有
- 有名声優を多数輩出
- 最初からマスターコースに入れれば、事務所所属までにかかる費用が非常に少ない
恵比寿と大阪に校舎があるアミューズメントメディア総合学院の声優科は、ドラフトオーディションのほかに、事務所1社ごとのオーディションも開催しています。
そのため、特に「この事務所に所属したい!」という人にとっては大きなチャンス。
毎年2月3月は毎日オーディションが開催されていると言っても過言ではないほどです。
オーディションのチャンスがたくさんほしい人にとっては夢のような条件だと言えます。
なお、アミューズメントメディア総合学院(AMG)から声優事務所への所属率は80.7%です(2023年3月卒業生)。2022年卒業生の所属率は70%で、さらにそれ以前は60%台だったので、所属率が上がっているところもポイントです。
アミューズメントメディア総合学院(AMG)出身の主な声優
羽多野渉さん、柿原徹也さん、山下誠一郎さん、降幡愛さん、加藤英美里さん、門脇舞以さん、白井悠介さん
アミューズメントメディア総合学院(AMG)
声優学科本科(全日2年制)、声優専科(夜間・日曜)の2つのコースがあります。
専門学校のように本科でガッツリ学ぶことも、会社や学校と両立しながら専科で夜や休日に学ぶこともできます。
なお、ドラフトオーディションや事務所別オーディションは、どちらのコースの生徒も受けることができます。
アミューズメントメディア総合学院 声優本科(全日2年制)の授業料
全日制は2年間じっくり学ぶコースです。
1年次 | 入学金:10万円 授業料:88万円 施設設備費:20万円 演習実習費:10万円合計;128万円 |
2年次 | 授業料:88万円 施設設備費:20万円 演習実習費:10万円合計;118万円 |
アミューズメントメディア総合学院 声優専科(夜間・日曜/半年・1年)の授業料
専科では入学時の実力判定で、基礎コース・研究コース・マスターコースのいずれかに振り分けられます。
基礎コースと研究コースは半年、マスターコースは1年です。
なお、AMGの専科に入れるのは30歳までという年齢制限があります。
基礎コースと研究コースは、週に何回授業を受けるかを選択することができます。
基礎コース・研究コース
週1回受講(全20回) |
入学金:3万円 授業料:13万円 設備費:2万円 合計:18万円 |
基礎コース・研究コース
週2回受講(全40回) |
入学金:3万円 授業料:24万円 設備費:3万円 合計:30万円 |
基礎コース・研究コース
週3回受講(全60回) |
入学金:3万円 授業料:32万円 設備費:4万円 合計:39万円 |
マスターコース
週1回(全32回) |
入学金:3万円 授業料:30万円 設備費:5万円 合計:38万円 |
総合学院ヒューマンアカデミー
- 全国に校舎があるので、地方の人でも学びやすい
- 新しい養成所なので、学校側が実績作りに力を入れており、オーディションが多い
- 在学中のデビュー実績多数でチャンスに恵まれている
全国に15の校舎があるヒューマンアカデミーの声優専攻コースでも、ドラフトオーディションが開催されています。
ヒューマンアカデミーの声優コースは設立されて間もないため、代アニやAMGと比べると実績がまだ少な目です。
その分、学校側は実績を作ろうと頑張っており、
- 年間オーディション回数 405回
- オーディション参加プロダクション 90社以上
- 在学中デビュー数 514件
と、期待の持てる数字をたたき出しています。
総合学園ヒューマンアカデミー出身の主な声優
小林大紀さん、大和田仁美さん、伊藤節生さん、熊谷健太郎さん、小原好美さん
総合学園ヒューマンアカデミー 夜間・週末 声優コース(半年)の授業料
ヒューマンアカデミーの声優コースは4月開講と10月開講の2期の募集があります。
レッスンは大学の授業のように選択制になっており、何科目受講するかで授業料が変わります。
入学金:3万3,000円
1講座受講:17万6,000円
2講座以上受講する場合、1講座あたり:15万8,400円
1講座のみ受講する場合の合計:20万9,000円
2講座受講する場合の合計:32万100円
講座一覧
演技、アフレコ、ナレーション、ボーカル、ダンス、オーディション対策、ボイストレーニング、発声、活舌、ボイスドラマ、外画アフレコ、映像演技、殺陣アクション、セルフプロモーション、等々
映像テクノアカデミア
- 素人でもステップ3から入学することが可能
- プロクラスへ入学する権利を得やすく、所属後に仕事を取りやすい
新宿御苑にある映像テクノアカデミアは、東北新社(海外ドラマやドキュメンタリーを日本で配信している会社)直営の養成所です。
テクノアカデミア自体は歴史が長いのですが、そこまで著名な声優をたくさん輩出しているわけではない反面、テクノの卒業生なら優先的に「プロクラス」に入れるという魅力から、テクノへの入学を希望する人が多い養成所です。
プロクラスとは
いずれかの声優事務所に所属(準所属、預かりでも可)している声優が通えるクラスで、週1回90分、主に吹き替えの授業が行われます。プロクラスの講師は東北新社で番組を持っているディレクターで、授業は実質オーディションを兼ねています。
そのため、無名の事務所や力の弱い事務所、積極的に仕事を取ってきてくれたりオーディションのあっせんをしてくれない事務所に所属している声優でも、毎週オーディションのチャンスがあります。
ただし、プロクラスは誰でも入学できるわけではなく、前年度プロクラスを受講していた生徒と、テクノアカデミアで学んでドラフトオーディションを受け、いずれかの事務所に所属が決まった生徒(テクノの卒業生)が優先です。
空きがあればテクノの卒業生ではない声優も入学が許可されますが、卒業生以外がプロクラスに入学するのはかなり難しく、実質テクノの卒業生で構成されているクラスです。
映像テクノアカデミア出身の主な声優
皆川純子さん、乃村健次さん、青山穣さん、かわのりょうこさん、牛田裕子さん
映像テクノアカデミアの学費
映像テクノアカデミアは、ステップ1(基礎)、ステップ2(研修)、ステップ3(実践・オーディション対策)の3つのコースがあり、入学志願時にどのコースに通いたいかを生徒側から指定して入学するシステムです。
いきなりステップ3から入学することも可能ですが、ステップ3の生徒の多くは、ステップ2から上がってきた生徒か、他の声優養成所で学んだ経験があるけれど所属できなかった人で構成されています。
ステップ1
1年(週1日、1コマ) 半年(週1日、2コマ) |
入学金:3万3,000円
学費:20万9,000円 合計:24万2,000円 |
ステップ2
1年(週1日 2コマ) |
入学金:3万3,000円
学費:47万5,200円 合計:50万8,200円 |
ステップ3 | 入学金:3万3,000円
学費:51万0,400円 合計:54万3,400円 |
ドラフトオーディションがある声優養成所に通うメリット
- 自分という素材を「欲しい」と言ってくれる事務所に入れる
- 複数の事務所から声がかかれば、行きたい事務所を自分から選べる
- 目指す声優事務所があるが、年齢制限があって直営の養成所に入学できない人でも、その事務所に入れる可能性がある
声優事務所直営の養成所で学び、その上にある事務所を狙うのが声優になるスタンダードな道です。
しかし、あなたに実力が魅力があっても「うちにはもう似たような声優がいるから、被る素材はいらない」「欲しいのは●●な声を出せるキャラクター」「●●な演技ができる人を希望している」というケースもあります。
「あなたは実力があるけれど、うちにはすでに●●●●さんという人気声優がいる。声質もキャラクターもあなたと近いから、あなたはうちに所属できないし、仮に所属できたとしても仕事を回してあげられない」
と言われたそうです。
その人はその事務所をあきらめて別の養成所に入りなおしています(その後、無事所属しました)
そんな事情もあるため、「養成所を出た後の行き先が一カ所しかない」のは危険。
その点、ドラフトオーディションがある養成所なら、一気に50社から100社の声優事務所・芸能事務所にアピールできるため、Aの事務所が「この子はうちには合わない」と思っても、BとCの事務所は「この子がほしい!ぜひうちに!」と声をかけてくれる可能性があります。
実際、ドラフトオーディションで成功した生徒には、10社以上の事務所から声がかかることも珍しくありません。その中には声優を目指す人なら誰もが知る有名な事務所があることも多いのです。
自分のチャンスを増やす、可能性を広げるという意味で、ドラフトオーディションがある声優養成所はとても魅力的です。
学費まとめ
代々木アニメーション学院 週1コース | 半年で15万円 |
アミューズメントメディア総合学院声優専科
基礎コース・研究コース週1回コース |
半年で18万円 |
アミューズメントメディア総合学院声優専科
基礎コース・研究コース週2回コース |
半年で30万円 |
アミューズメントメディア総合学院声優専科
基礎コース・研究コース週3回コース |
半年で39万円 |
アミューズメントメディア総合学院声優専科
マスターコース 週1回 |
1年で38万円 |
ヒューマンアカデミー
週末・夜間声優コース 1講座受講 |
半年で20万9,000円 |
ヒューマンアカデミー
週末・夜間声優コース 2講座受講 |
半年で32万100円 |
映像テクノアカデミア
ステップ3 |
1年で54万3,400円 |
気になる養成所があれば、まずは資料を請求し、見学を申し込んでみましょう。
できれば複数の養成所を見学し、比較することをおすすめします。
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