自分が本当にやりたいことや夢に気付いたけれど、世の中のいくつかの職業や事柄には年齢制限があり、ある程度の年齢になってしまうともう目指すことすらできないということも…
声優も「若くなければデビューできない」という印象がありますが、目指せるのは一体何才まで?
30代から声優を目指しても、デビューできる可能性はあるのでしょうか。
30代からの声優街道について詳しく解説します。
30代からでも声優は目指せる!ただし制限はある…
結論から言うと、30代から声優を目指しても遅くはありませんし、目指せます。
実際に、私の知り合いでも30代や40代で養成所に入って事務所に所属した人も。
さすがにアイドル声優のような活動はできませんが、出演するコンテンツによってはライブなどそれに近い活動をすることもあります。
年齢を理由に、夢を諦める必要はないのです。
ただし、30代から声優を目指すのは全く何も問題ないわけではなく、制限がある場面もあります。
年齢制限を設けている声優養成所がある
いくつかの声優養成所は、入所の条件として年齢制限を設けています。
この場合、制限された年齢を超えていると養成所に入所できません。
年齢制限のある声優養成所一覧
81アクターズスタジオ
(81プロデュース) |
27歳まで |
マウスプロモーション付属俳優養成所 | 27歳まで |
J・ボイスタレント・プロフェッショナルスクール
(アクロスエンタテインメント) |
27歳まで |
シグマ・セブン声優養成所 | 30歳まで |
俳協ボイス(俳協) | 38歳まで |
有名どころをざっと調べてみたのですが、年齢制限があるのはこちらのみ。
あとは年齢制限ありませんでした。
もちろん、多くの養成所生は20代前半から半ばまでの若い人が中心ですが、30代40代でも養成所に入り、事務所に所属することは可能です。
入りたい声優事務所の養成所が年齢制限してた(涙)→大丈夫、諦めるな!!
先程の表を見て
とガッカリした人もいるかもしれません。
けれど、諦めるのは早い!!
養成所の年齢制限にひっかかっても、まだチャンスはあるのです。
それが、他の声優養成所のドラフトオーディションから所属を狙う方法!
声優養成所のドラフトオーディションとは?
声優養成所には2つのタイプがあります。
- 声優事務所が直接運営する声優養成所
- 声優事務所直営ではない声優養成所
81プロデュースの付属養成所である81アクターズスタジオや、青二プロダクションの付属養成所の青二塾などが1にあてはまります。
2は、代々木アニメーション学院やアミューズメントメディア総合学院、ヒューマンアカデミーなどです。
どちらの養成所も卒業前に事務所所属をかけたオーディション(入所審査)が行われますが、その形式に違いがあります。
1は養成所付属の事務所に入所できるかどうかで、行く先は基本的に1ヵ所です。
しかし2は複数の声優事務所の関係者を招いたオーディションを行い、それを見て「この子、いい」「この子はうちに欲しい」と思った事務所から「うちに来ない?」と声をかけてもらえます。
それがドラフトオーディションです。
2のドラフトオーディションは自分から行きたい先を指定できないかわりに、あなたを「欲しい」と思った事務所が声をかけてくれるので、所属できる割合が高く、また一度に複数の事務所からスカウトされる可能性もあります。
このドラフトオーディションを行っている声優養成所は、入所に年齢制限をしていません。
しかし、ドラフトオーディション参加事務所には、81プロデュースや青二プロダクション、俳協などが名前を連ねています。
実際に、30歳を過ぎていたけれどこのドラフトオーディションで声をかけてもらい、大手声優事務所に所属した人もたくさんいるのです。
30歳を過ぎている人で声優を目指すなら、ドラフトオーディションがある声優養成所を狙うのがおすすめです。
30歳を過ぎてからの挑戦だからこそ、所属につながりやすい
30歳を過ぎた30代・40代が声優に挑戦するのは、実は強みであるとも言えます。
- 人生経験を積んでいる分、さまざまな知見がありモノを知っている
- 外画の吹き替えでは老人や中年以降の声が出せる人が重宝される
- 落ち着いて自分を振り返ることができるので、自分を効率的にアピールしやすい
- 各種実務経験があるため、万が一声優がだめでも仕事を探しやすい
- 安定して収入が入る口があるため、ゆったりと声優修行に取り組める
10代や20代前半だと、学校とアルバイト先しか知らなかったり、家族以外は同世代の友達としか付き合いがなかったりします。
けれど社会人経験を積んでいる30代や40代なら、複数の会社や職場を知っていたり、自分と倍ほども年齢が違う人と日常的に会話をしたり、上司や先輩の結婚や離婚を見ていたり、上司の移動や退職を知っていたり、何も自分に非はないけれど取引先に謝ったり、何人もの人と本気の恋愛をしたり、結婚を意識した人と別れたりという人生のイベントをいくつも経験しているでしょう。
なんなら結婚や出産を経験している人もいるかもしれません。
そういった数々の出来事を自分事として体感しているかしていないかは、表現の世界ではとても重要です。
人生経験は宝。「知っている」だけでもできる表現に差がつきてきます。
また、これは私自身がドラフトオーディションを見学して気づいたことですが、若い子は「自分自身の適正」より「自分が何をやりたいか」のほうが大きく、自分にはミスマッチな題材でオーディションに挑むことが多々あります。
けれどある程度経験を積んで大人になると、だんだん自分自身を客観的に見ることができるようになります。
すると、自分という素材をより的確にアピールできる素材を選びやすくなるのです。
また、現在社会人として働いていればそれなりに収入もあるので、養成所の学費も捻出しやすく、若い人より養成所に通いやすいというのも大きなメリットだと言えます。
繰り返しますが、30代・40代で声優に挑戦するのは決して遅くはありません。
夢を夢のまま諦めず、挑戦して後悔の少ない人生にすることのほうが、ずっと大切です。
30代から挑戦して成功した声優の例
神尾晋一郎さん デビュー30歳
声優の神尾晋一郎さんは、2011年の29歳のときにアミューズメントメディア総合学院に入学。ドラフトオーディションを経て30歳で81プロデュースに所属しました。
養成所の年齢制限を27歳に設定している81ですが、30歳でも認められて所属している例があります。
神尾さんは「あんさんぶるスターズ!」の鬼龍紅郎役や「ヒプノシスマイク」の毒島メイソン理鶯役で30代後半でブレイク。これらのコンテンツのヒットにより、ライブをはじめとしたアイドル的な活動も行っています。
そのほか、「世界はほしいモノにあふれてる」のナレーションをレギュラーで務めるなど、年齢にふさわしいかっちりした仕事もこなしています。
浅沼晋太郎さん デビュー30歳
20代から脚本家・演出家・役者として舞台や映像の分野で活動してきた浅沼晋太郎さん。声優デビューは2006年で30歳のときです。
もともと舞台のほか、やスタッフとしてテレビアニメ作品ともかかわりがあったので少し異例ではありますが、数々のアニメ作品で活躍されています。
「あんさんぶるスターズ!」の月永レオ役、「ツルネ -風舞高校弓道部-」の滝川雅貴役などで知られています。
黒田崇矢さん デビュー35歳
モデル、俳優としてテレビや映画の世界で活躍していましたが、体調不良から芸能界引退を考えていたときに「声優に挑戦しないか」と誘われて声優デビュー。
「龍が如く」の桐生一馬役は黒田さんの代表作といっても良いでしょう。
もともと芸能界にいた方だということを忘れるほど、特徴のある渋い声で活躍されています。さまざまな作品で引っ張りだこ、現在も多くのアニメに出演されている人気声優です。
大原めぐみさん デビュー30歳
もともと美容師をしていて、結婚・出産後に声優を目指して養成所へ。30歳でデビュー。直後に2代目野比のび太役を射止め、ドラえもんに無くてはならない声として子どもたちに親しまれています。
ドラえもんののび太役以外にも多くのアニメ作品にコンスタントに出演しています。
安芸けい子さん 30代後半でデビュー
普通に就職して10年ほどOLをしてから一念発起して広島の声優養成所に。そこでは所属まで至らなかったが、「声優をやりたい」という気持ちがつのり上京。事務所所属の養成所に2年通ったが所属できず、40歳間近で映像テクノアカデミアに入学。ドラフトオーディションで声優事務所ムーブマンから声がかかり所属、その後アル・シェアに移籍。
洋画の吹き替えを中心に活躍、そのほか、「大人の教科書」や「NNN Newsリアルタイム」でナレーションを務めています。
30代で声優を目指すのは遅くない!夢に一歩踏み出してみて
「残りの人生の中で、今日が一番若い」という言葉があります。
年齢を理由にやりたいことを諦めるのはナンセンス。
30代でデビューして今成功している声優や、40歳間近で養成所に入りデビューしたい声優もいます。
30代・40代から声優を目指すのは不可能ではありません。
ただ、この年齢からだと事務所付属の養成所に入るのは「ゴールが1ケ所しかない」ため非常にリスクが高い勝負。
30代・40代から挑戦するなら、たくさんのゴールがあるドラフト式オーディションが受けられる事務所を狙うのが正解です。
まずは、気になる事務所の資料を取り寄せたり、見学を申し込んでみませんか。
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