声優の収入ってどのくらい? 調査の結果判明「7割は年収300万円以下」

声優は事務所に所属していても「月給」があるわけではなく、自分が仕事をした分だけギャラがもらえる「個人事業主」です。

そのため、一人ひとり収入は違いますし、同じ人でも毎年収入は変わります。

売れっ子なら高収入だけれど、仕事が少ないと入ってくるギャラも少なく、バイトが主な収入源という人も少なくありません。

けれど、具体的な声優の収入についてはこれまであまり明かされることがありませんでした。

そんな中、2023年から開始されるのではないかとみられている「インボイス制度」について、反対の声を上げている声優も少なくありません。

咲野俊介さん、岡本麻弥さん、甲斐田裕子さんもインボイス制度に反対する有志グループ「VOICTION」を立ち上げています。

そして、「VOICTION」が独自に行った調査により、声優のリアルな「年収」が明らかになりました。

こちらのツイートのマンガが非常にわかりやすいので、ぜひご覧ください。

声優の年収の実態、4割が100万以下、7割が300万以下

調査では声優260名およびフリーランス183人を対象に収入に関するアンケートを実施。

出典:musicman

すると、年収100万円以下と答えた声優が最も遠く42%、次に多いのが100万~200万(15%)、200万~300万(15%)と続き、全体の72%が年収300万円以下であることが明らかになりました。

年収が500万円を超えるのは16%に過ぎず、多くの声優が「声優の仕事だけ」では食べていけていないことがわかります。

さらに、もしインボイス制度が導入された場合、23%が「廃業を検討している」と回答しており、5人に1人の声優が業界を去ることを考えています。

さらに廃業を検討しているのは若手だけでなく、16%は40歳~60歳の声優。中堅・ベテランと呼ばれる声優も、「インボイス制度で収入が10%も減ったら、これ以上声優を続けていけない」と考えていることが明らかになりました。

インボイス制度に反対している声優の方々

「VOICTION」では、インボイス制度反対に賛同する人を求めています。

Twitterのリプを見ると、以下の方々が反対の声を上げていました。一部を紹介します。

咲野俊介
岡本麻弥
甲斐田裕子
かないみか
阿部敦
星野貴紀
東地宏樹
櫻井トオル
松本保典
田原アルノ
上田燿司
花輪英司
田所陽向
日向とめ吉
真山亜子
斉藤貴美子
樋口あかり
勝杏里
蒼谷和樹
阪口周平
柳沢三千代
楠田敏之
井上優
西森千豊
小松由佳
水落幸子
高島雅羅
永井寛孝
福宮あやの
城戸啓佑
丸山壮史
四宮豪

(敬称略、一部抜粋)

「知ってる」「あの人も!?」という人の名前を見つけた人も多いのでは。

声優の多くが、この制度に強い危機感を感じていることがわかります。

参考:VOICTION

声優は多くが年収300万円台、95%が免税事業者

免税事業者とは法律により消費税納税を免除されている事業者(個人事業主を含む)を指します。

法律では年収が1000万円以下の場合、消費税は納税しなくてもよいことになっています。それは。消費税を納税する税務上の手続きが非常に複雑で、通常は税理士に依頼して行う作業だから、税理士のような専門的な知識がある人でなければ、正しく処理することが難しいからです。

ただし、税理士に依頼すると数十万という金額を支払わなくてはいけないため、その金額を支払っても赤字にならないギリギリのラインが1000万円だと言われています。

もしインボイス制度が導入されると、声優の95%は赤字になることが予想されているわけです。

これから声優を目指す人にとっても、ひとごとではない話です。

「私は絶対に売れっ子になるから大丈夫」

と思った人もいるかもしれませんが、デビューして売れっ子になるまでには下積みが必要で、その間は300万円以下の収入でその大半はレッスン代に消えていきます(事務所に所属した後も、売れてからも、多くの声優がレッスンを受けて自分を磨き続けています)。

誰にとっても、他人事ではないのです。

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