- 声優になっても仕事がない
- 仕事があるのは一部の人気声優だけ
そう思う人も多いでしょう。
例えば、あの鬼滅の刃で知名度を全国区にした花江夏樹さんや下野紘さん、鬼頭明里の名前はいろいろんな場所で目にしますが、アニメやゲームではいつも同じ人の名前ばかり見ている気がしますよね。
声優は売れっ子にならないと仕事がないのか。
いいえ、そんなことはありません!
声優は、顔と名前が見えにくい仕事のほうが多い
声優の仕事と聞くと、テレビアニメやゲームのキャラクタ―ボイスが真っ先に浮かびますが、それだけではありません。
もちろん、アニメもゲームも声優の貴重な仕事の一部。それらの作品に参加すると、顔と名前が知られやすく、人気が出やすい仕事です。
けれど、名前が知られにくく(時に名前が出ず)、顔も知られにくい仕事もあります。
例えば、CMのナレーション。テレビのニュース番組やドキュメンタリーのナレーション。海外ドラマや映画の吹き替え。
これらもすべて声優の仕事ですが、視聴者は声優に着目せず見たり聞いたりしているので、よほど声優業界に興味がある人でなければ「今のナレーションは誰だろう」「このドラマの、この俳優の吹き替えをしていた人は誰?」と気になったり調べたりはしないのです。
実際に、あなたも声優に興味を持ったり、自分が声優になりたいと考えたりしなければ、ナレーションをしている人や吹き替えをしている人が気になることもなかったのではないでしょうか。
吹き替えやニュース、ドキュメンタリーのナレーションなら最後に出演者が表示されますが、CMのナレーションでナレーターの名前が出ることはまずありません。そのため、「実は誰もが聞いたことがある声だけれど、名前を知っている人はほとんどいない」ということが当たり前にあるのです。
令和の時代が求める声優
CMといえば多くの人がテレビCMを連想しますが、今はテレビCMより多く作られ、たくさんの人に視聴されているCMがあります。
YouTubeをはじめとした動画で流れるWebCMです。
テレビCMは15秒のCMをほんの数回流すのにも数千万円の放映料を支払わなくてはいけません。
そのため、資金力のある企業しか作ることができない広告でした。
しかし、インターネットで多くの人が気軽に動画を見たり作ったりできるようになった今では、WebCMが非常に大きな力を持ち始めています。WebCMならそれほど予算を必要とせず、作って流すことができるため、今は多くの企業がWebCMを作るようになったのです。
CMでは必ずナレーターが必要とされます。
令和の今は、WebCMで多くの仕事を獲得する声優も多いのです。
さらに、知識さえあれば誰でも気軽に動画を作れるようになったことから、個人や小規模のチームでYouTube投稿用の動画を作り、ナレーションをしてくれる人を求めるケースも増えています。
YouTubeが一般的になり、「テレビよりYouTube」という人が増えるに伴い、昭和や平成では想像もできなかった「声の仕事の場」が増えているのです。
オーディオブック人気から、声優の仕事に朗読も加わった
さらに、現在はサブスクリプションで楽しめるオーディオブックも増えています。
このオーディオブックを朗読するのも声優です。
中には有名声優が参加している作品もありますが、無名の新人声優が朗読しているオーディオブックも多く、若手が活躍できる場になっていることがわかります。
オーディオブックは、車を運転しながらや電車やバスの中で移動しながら聞くビジネスパーソンが多く、ビジネス系の本が充実しているのですが、中にはライトノベルや文学作品もあります。声優を目指す人なら「ぜひ読んでみたい」「読ませてほしい」と思うお仕事ではないでしょうか。
声優の仕事自体はあるが、その仕事を取って来られるかは事務所次第
声優は仕事がないということはなく、仕事の場を問わなければ仕事自体は増えている傾向にあると言っても良いでしょう。
けれど、それらの仕事をできるかどうかは別。
というのも、事務所として「こういう仕事は受けない」とお断りをしているケースもあるでしょうし、事務所がその仕事を取ってこられるかどうかという問題もあります。
小さな仕事でも取って、できるだけ若手に経験させてやりたい、実績を作ってあげたいと考える事務所なら、動画系の仕事やオーディオブックの仕事を取ってくるでしょう。
しかし、事務所のポリシーで「小さすぎる仕事は実績にならない」とはじくケースもないとは言えません。
どちらが正解、間違いということはなく、考え方次第です。
しかし、事務所に入ったら必ず仕事がもらえるというわけではなく、社長やマネージャーが「この子はがんばってる」「力をつけてきた」「これなら現場に出しても恥ずかしくない」と思わなければ、仕事は振ってもらえません。
まずは事務所内で認めてもらうことが第一、仕事がもらえるのはそれからです。
「認めてもらうのが難しそうだぞ」
「自分で営業してもいいんだけどな」
と思う人は、事務所に所属せずフリーの声優として活動するという方法もあります。
いずれにせよ、「声優の仕事がない」ということはありません。
もし、誰か特定の声優を見てそう見えるのであれば、それは
- 事務所が最近増えている仕事を上手に取れていない(あえて取らない)
- 小さな仕事はプロフィールに掲載していない
- 事務所に仕事を振ってもらえない
のいずれかです。
声優としてある程度の実力があり、さらに営業センスがある人なら、自分で営業をしたほうが早いかもしれませんね。
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